これだけはおさえておきたい!脱水機の処理方式を一挙紹介




水処理では必ず汚泥が廃棄物として排出されますが、その汚泥を処理する役割を担うのが脱水機です。脱水機は様々な処理方式がありますが、どの方式を選定するのがベストなのかご存知ですか?

せっかく水処理設備で良好な性状の汚泥を作ったとしても、最後の脱水機で適切に処理ができないと廃棄物処分費用のコスト上昇を招いたり、汚泥管理の手間が増えてしまう恐れがあります。

そこで、今回はそんな脱水処理について、入門編として脱水機の処理方式をまとめてみました。

脱水機の処理方式一覧

脱水機は水処理で発生した汚泥中の水分を除去し、

固形分として運搬できるくらいの汚泥ケーキとして

排出する役割を担っています。

汚泥ケーキは単に汚泥と呼ばれたり、スラッジと呼ばれることもあります。

排出された汚泥ケーキは産業廃棄物として、乾燥や焼却処分

された後に、セメント材料や埋め立て処分されます。

脱水機の種類は様々ありますが、汚泥の種類や性状、運転管理の

しやすさや運転費用等を総合的に踏まえて、最も適切な処理方式を

選定することがポイントとなります。

脱水機は以下の表に示した通り処理方式ごとに大きく、遠心式、真空式、

加圧式の3つにわけることができます。汚泥ケーキの含水率は遠心式→真空式→加圧式

になるにつれて少なくなりますが、その分設備費も高くなるのが特徴です。

処理方式 遠心式 真空式 加圧式
脱水のメカニズム 遠心力を用いた脱水 真空吸引による脱水 圧搾による脱水
汚泥ケーキの含水率(目安) 75〜90% 75〜85% 60〜80%
設備費 安い 安い 高い

遠心脱水機

遠心脱水機は設備費も比較的安価で幅広く適用される処理方式の1つです。

遠心分離機(セパレータ)のような回分式のものもありますが、

連続式のスクリューデカンタ方式が最も一般的です。

スクリューデカンタは容器(外筒)と内部のスクリューから

構成されていて、それぞれ異なる回転速度で回転します。

スクリューはその名の通り、スクリューコンベア構造で回転によって

容器の中に溜まった汚泥を排出する役割を担っています。

回転速度は汚泥の性状などによってまちまちですが、一般的には

数千RPM程度で回転させることが多いです。

真空脱水機

真空脱水機はろ布に汚泥を付着させて、付着した汚泥をろ布の裏側から

水分だけを吸引ろ過して脱水する処理方式です。

ろ布は回転式ドラムに固定されており、ドラムが回転することで、

ろ布も動きます。汚泥から水分を吸引する工程と汚泥ケーキをろ布から

剥離される工程が連続的に起こります。

真空脱水機は脱水を継続しているとろ布の目詰まりが起こるため、

ろ布を洗浄する機能が付いているのが一般的です。

加圧式脱水機

加圧式脱水機は一般的には設備費が高くなりますが、脱水性能に

優れているため、とてもよく用いられています。

加圧式脱水機としてはベルトプレス方式とフィルタプレス方式が

広く用いられており、それぞれの処理方式についてまとめてみました。

ベルトプレス

ベルトプレスはその名の通り、ベルトコンベアの上に汚泥を乗せて、

汚泥を圧搾することで脱水を行う脱水方式です。

ベルトコンベアは2枚用いて、ローラーで汚泥を挟み込むようにして

脱水することが特徴です。

産業排水から発生する無機汚泥や下水処理等で発生する有機汚泥まで

幅広く用いられています。

圧搾された汚泥はスクレーパーでベルトコンベアから掻き取られ、

汚泥ケーキとして排出されます。ベルトコンベアを構成するろ布は

目詰まりを起こしやすく、連続的に洗浄します。




フィルタプレス

フィルタプレスは汚泥を脱水するための複数の部屋に小分けに汚泥を

投入し、各部屋で圧搾して汚泥ケーキを作る処理方式です。

各部屋は樹脂製の型枠にろ布を貼り付けた構造となっており、部屋の

両サイドからダイヤフラムのような加圧機構で圧搾する仕組みです。

脱水が終わると各部屋の間隔が開き、板状に圧搾された汚泥ケーキが

下に落とされます。

フィルタプレスは無機系の排水処理で発生した汚泥の脱水によく用い

られますが、圧力で機械的に絞ることを特徴としており、含水率を

低くできることが大きな特徴です。

結局どの処理方式がいいの?

これまで代表的な脱水機の処理方式をご紹介してきましたが、

ここで素朴な疑問としてどの処理方式がいいのかと疑問に思われる方も

いらっしゃるかと思います。

実は脱水機の処理方式の選定はそれ自体がノウハウとなっており、

人によって様々な考え方があるというのが実態です。

最も頼りにするのは実績の有無だったりします。

既設で処理実績のある方式がわかっているのであれば、

それを参考にしますが、もし実績がない場合、実験室や

デモ機などで簡単な脱水試験を行うこともあります。

実際に今回紹介した脱水方式はどれもが汎用的に用いられており、

特にこの排水性状だとダメとかいった指標は明確になかったりします。

最終的にはコストとのバランスを考えて、絞りやすい汚泥はコストの安い

遠心脱水機、絞りにくく低い含水率を狙うのであれば加圧式脱水機を

選定することが多いです。

まとめ

今回は脱水機の処理方式をまとめてみました。

今回ご紹介した処理方式は大雑把な分類となっており、ここでは記載していない

さらに細かな処理方式に分類されるケースもあります。

脱水機の処理方式は大きく遠心式、真空式、加圧式の3方式があり、

コストと得られる含水率の関係で適切な処理方式を選定しています。

選定基準は既設での実績などを参考にしますが、それ自体がノウハウだったりします。

このように水処理では意外と見落とされがちですが、脱水機にまつわる

エンジニアリングノウハウはとても奥が深いものとなっています。