水処理と汚泥処理は切っても切り離せない関係にあります




水処理では必ず処理の過程で廃棄物が発生します。水処理の代表的な廃棄物といえば「汚泥」です。

汚泥は水処理とは切っても切り離せない関係にあります。でも、汚泥処理は水処理の最終後段の処理プロセスとなるため、水処理とは切り離して議論されることもしばしばあります。

ここではそんな汚泥について、水処理で発生するプロセスや処理方法についてまとめてみました。

水処理から汚泥が発生するまで

水処理で発生する汚泥は性状別に大きく、有機汚泥と無機汚泥に分けられます。

それぞれの汚泥が発生するまでのプロセスについて整理してました。

有機汚泥

有機汚泥の代表的な発生プロセスとしては下水処理場等のような

生活排水処理の過程で出てくる微生物フロックが挙げられます。

いわゆる活性汚泥と呼ばれるもので、標準活性汚泥法や2段活性汚泥法

のような生物処理で発生する汚泥すね。

活性汚泥法では曝気槽で有機排水を曝気した際に、微生物の塊が

生成しますが、それが後段の沈殿池で沈降処理されて汚泥として

排出されます。

つまり活性汚泥とは生物処理から出てきた微生物残骸だったり、

微生物の塊そのものだったりするわけです。

さらに下水から出てくる汚泥はその後、濃縮され、密閉された

タンク内でメタン発酵が行われることがあります。

活性汚泥は生きた微生物が含まれていることから生汚泥と呼ばれ悪臭がする

のに対して、メタン発酵後の汚泥は悪臭もなくなり消化汚泥と呼ばれています。

ちなみに、活性汚泥は生物処理にか欠かせないもので、初めて生物処理を

立ち上げる際には活性汚泥を他の処理場等から持ってきて生物を根付かせる操作を

行います。この汚泥のことを「種汚泥」と呼び、種汚泥を販売する会社も存在します。

無機汚泥

無機汚泥は工場の排水処理等から凝集沈殿等の固液分離処理をした後に

排出される汚泥です。もともと排水中に含まれていたSS成分を凝集剤で

フロックにして沈殿池で沈降処理されたものの総称と言っても良いでしょう。

この他に無機汚泥はろ過器の逆洗排水中の固形分等も含まれており、

凝集沈殿から発生した金属酸化物の他に砂・砂利・シリカ等の成分が含まれて

いることが特徴です。

無機汚泥は排水処理だけでなく、用水・給水処理の固液分離処理プロセスからも

発生し、水処理として必ず発生するものと捉える必要があります。

汚泥ってどんな性状なの?

それでは水処理で発生した汚泥ってどんな性状なのでしょうか?

「汚泥」と表記されることから類推できるように、汚泥は「泥(どろ)」

みたいな性状なのでしょうか。

これについてはあるものは泥(どろ)みたいな性状で間違ってはいないのですが、

見た目も触った感じもそうではないものもあるため、一概には言えないという

のが汚泥を扱っている人が口を揃えて言う感想だと思います。

そう!汚泥は排出源によって大きく性状が異なるのです。

汚泥の発生源別に有機汚泥と無機汚泥があることは前述の通りですが、

両者でも性状は大きく異なります。有機汚泥は下水処理場等の生活排水

が発生源なので、臭くて見た目も褐色がかった色をしています。

一方、無機汚泥は工場排水や用水・給水を凝集剤等でフロックとして固めた

ものが主成分なため、必ずしも臭いがあるわけではなく、見た目も

千差万別です。排水の種別や使用する凝集剤によっては白っぽい見た目

の汚泥もあります。

沈殿池等から発生した汚泥は脱水機に移送され、汚泥中に含まれる

水分を脱水処理します。脱水機の処理方式によって千差万別ですが、

沈殿池から引き抜いた汚泥は濃度にすると1〜2%程度(含水率は

98〜99%)であるのに対して、脱水機で絞った汚泥は含水率で言うと

60〜80%程度になります。

沈殿池から引き抜いた直後の汚泥が水をたくさん含んだシャバシャバな

状態なのに対して、脱水機で絞った後はパサパサな状態になっています。

ちなみに沈殿池から引き抜いた汚泥はそのままの状態では脱水機で

絞りにくいこともあり、汚泥濃縮槽やシックナーと呼ばれる水槽で

さらに濃度を倍程度まで濃縮することもあります。





汚泥は最終的にどこに運ばれていくの?

水処理で排出された汚泥はどこに運ばれていくのかご存知ですか?

一般的に水処理屋さんは水処理や汚泥を排出するところまでが守備範囲のため、

汚泥が排出された後のことは意外とご存知無い方も多いかもしれません。

水処理から汚泥は産業廃棄物として産廃業者に引き取られますが、

その後は有機汚泥と無機汚泥で扱いが異なるのが一般的です。

有機汚泥は前述したメタン発酵によって消化ガスを発生させるための

エネルギー用途として使用されたり、肥料等のような緑地や農地での

利用が進められています。また、一部の汚泥は建築用資材として

セメントやコンクリート等の原料として使用されることもあります。

一方、無機汚泥はセメントやコンクリートなどの原料として使用される他、

汚泥中に含まれる貴金属や資源等の有価物は回収され再利用する取り組み

が進められています。

まとめ

水処理で発生する汚泥についてまとめてみましたが、いかがだったでしょうか。

水処理で発生する汚泥は大きく有機汚泥と無機汚泥に分けられ、それぞれ脱水機

で脱水処理された後は産業廃棄物として産廃業者に引き取られ、再資源化する

取り組みが進められています。

水処理に携わる方々には汚泥を排出するところまでが守備範囲という方も

少なく無いと思いますが、汚泥を排出した後、最終的にどのような姿になるのか

知っておくことはとても重要です。