色々な場面で大活躍!活性炭の実力を徹底解説




水処理で活性炭は色々な場面でよく用いられます。

活性炭でできることは様々で、活性炭で除去できる対象によって色々な水処理ノウハウが詰まっています。

また、水処理で用いる活性炭自体にはいろいろと種類があり、それぞれの特徴を活かした用途があるのをご存知でしょうか。

今回は活性炭を用いた水処理プロセスと、除去できるものに焦点を当てて、活性炭処理をご紹介します。

活性炭処理でできることとは

活性炭は不純物の除去や脱臭等、様々な用途で用いられます。

特に水処理では、不純物の吸着特性を活かして、排水処理分野を中心に

幅広く用いられています。活性炭処理でできることを

除去対象物質別に整理してみました。

有機物の吸着除去

排水処理の中で活性炭の用途として最もよく用いられるのが

有機物の吸着除去ではないでしょうか。

排水中の有機物除去といえば、標準活性汚泥法などの生物処理が

真っ先に思いつく人が多いと思いますが、活性炭は生物処理では

除去しきれない、難分解性の有機物を吸着除去する役割があります。

例えば、有機溶媒のようなCOD成分としてカウントされるものは

一般的に生物処理では除去困難な物質として知られていますが、

活性炭吸着処理することで、その濃度を低減させることができます。

色度成分の吸着除去

活性炭は排水中の色度を除去する目的で用いられることもあります。

排水中の色度は水中に溶解している成分、有機物、コロイド状物質が

原因物質と言われていますが、活性炭はこれらを吸着除去し、

排水の色度を低減させる効果があります。

色度成分自体が難分解性の有機物であることも多く、色度除去と同時に

有機物除去ができることもあります。

酸化剤の還元作用

活性炭は酸化剤を還元する効果があることも知られています。

よく水処理では排水中の殺菌を目的に次亜塩素酸ソーダなどの

酸化剤が用いられますが、これら酸化剤を還元するために活性炭が

用いられます。

次亜塩素酸ソーダのような酸化剤は活性炭の表面に接触すると

活性炭に吸着されます。その後の活性炭の主成分である炭素(C)が

酸化剤によって酸化されます。

一方、酸化剤は還元され、最終的には塩化物イオンなどに変換されます。

活性炭は単に酸化剤を吸着させているだけでなく、自らが酸化剤によって

酸化されることで酸化剤を還元しているのですね。

このため、酸化剤除去目的で活性炭を使用していくと、

いつかは活性炭の寿命が尽きることになります。

生物処理とのハイブリッドとして用いられる生物活性炭

原水中の有機物を除去する機能を持つ生物処理と活性炭の吸着能を

組み合わせた生物活性炭処理で有機物を効率的に除去することが

行われています。

生物活性炭処理では、活性炭の微細孔内に微生物を繁殖させて、

活性炭の吸着能の低下を微生物の力で持続させることで、

有機物除去能力を向上させています。

実は活性炭にもいろいろ種類があるって知ってた?

活性炭は漢字で「炭(すみ)」と書くように、見た目は黒い石の

ような物体です。水処理で用いる活性炭は様々な種類がありますが、

大きく分けるとその原料から石炭系、植物系、その他の3つに分類

することができます。

石炭系の活性炭は褐炭や無煙炭、瀝青炭などが代表的ですが、

いわゆる石炭として用いられる鉱物を加工することで作られます。

植物系の活性炭は木炭やヤシ殼炭などに代表される植物由来の原料から

作られています。その他に分類される活性炭としては骨炭などが知られています。

水処理で用いられる活性炭は原料の違いだけでなく、その形状の違いも特徴的です。

最もよく用いられるのは粉末状や粒状活性炭です。

粉末状活性炭は水処理プロセス途中で処理対象液に添加し、

最終的に固液分離処理することで水中の不純物を除去します。

一方、粒状活性炭は、塔などに充填した固定床として用いられます。

この他、繊維状の活性炭やフィルターに固定した活性炭など

水処理では様々な形状に加工された活性炭が用いられます。




代表的な活性炭処理

それでは、水処理で代表的な活性炭処理について見ていくことにしましょう。

まず、最も一般的なのは、ろ過塔に粒状活性炭を充填した

固定床式の活性炭ろ過塔です。水処理で活性炭ろ過と言えば

大半はこの方式が当てはまると言っても良いくらいよく採用される方式です。

活性炭ろ過塔は活性炭自体の不純物吸着能もありますが、

それ自体がろ過器としての役割もあるため、砂ろ過器などの後段に設置され、

処理水をさらに浄化させる目的で用いられます。

次いで、水処理でよく用いられる活性炭処理としては粉末状活性炭と

固液分離処理を組み合わせた処理プロセスです。

粉末活性炭は原水中の有機物除去などを目的に、原水中に混合し、

後段で固液分離処理を行うことで活性炭自体も分離除去する処理操作です。

この他、活性炭を流動床方式にして連続的に再生処理する処理なども開発されており、

様々な処理プロセスと運用ノウハウがあるのが活性炭処理の特徴です。

まとめ

水処理で様々な用途で用いられる活性炭ですが、活性炭の原料まで

気にしている水処理エンジニアはそれほど多くはないのではないでしょうか。

活性炭は用途もさることながら、処理プロセスも様々なノウハウが詰まっています。

単に有機物除去だけでなく、酸化剤の還元や色度除去など使い道は数多くあります。

活性炭の目的にあった使い方をエンジニアリングすることが水処理エンジニア

としての腕の見せ所ですね。