【超明快】超純水の作り方とは




水処理で極限まで純度を高めた水は超純水と呼ばれます。超純水はどのようにして作るのかご存知でしょうか?

超純水は使う先によってさまざまな要求水準がありますが、超純水の製造過程では注意しなければならないことがたくさあります。

そんな超純水の作り方について、わかりやすくをモットーに水処理屋さんの視点でまとめてみました。

超純水ができるまで

超純水は一次純水をさらに浄化することによって作られます。

超純水は二次純水とも呼ばれ、超純水を製造するプロセスは

サブシステムと呼ばれることもあります。

こう聞くと、ものすごく単純に思えるかもしれませんが、

実はものすごく複雑で高度な処理技術が必要となります。

超純水の入り口である一次純水は一般的に逆浸透膜処理や

イオン交換処理を行うことで作ることができます。

一次純水の段階でさまざまな水質条件で規定されるため

一概には単純化するのは難しいですが、

ここでは仮に導電率を 0.1μS/cmとします。

このレベルになると水中に溶存しているイオンはppbオーダーとなり、

微量成分の除去が必要となり、高度に精製されたイオン交換樹脂が

必要となります。

また、導電率では表示されない微粒子が含まれる他、

溶存性の有機物も含まれます。微粒子の中には微生物もカウント

されるため、微生物を殺菌するための処理も必要となります。

有機物は酸化分解して、最終的にイオン化させ、イオン交換樹脂で

取ってあげる必要があります。

こうして見ていくと、最低限必要な処理プロセスとしては、

有機物の酸化機構である紫外線照射(UV)、有機物の分解物や残存している

微量のイオンを吸着除去するためのイオン交換樹脂、

最後に微粒子を取るための膜処理(UF膜)が必要となります。

意外と知らない?!超純水の用途

では、超純水はどのような使い道があるのでしょうか。

私たちの日常生活で超純水を使っている人はほとんどいないと思いますが、

超純水は製品の洗浄や製品自体に使われること多いです。

代表的なのは、電子産業向けの製品の洗浄を行う際に超純水が使われます。

例えば、半導体基板の洗浄が挙げられます。

半導体チップと呼ばれる細かい配線が敷かれた基板は回路を

短絡させないために製造工程で不純物の混入が無いように

清澄な環境で作る必要があります。

この製造工程で不純物を洗浄する役割を担うのが超純水です。

この他に超純水は理化学、工業製品、食品などの薄め液として

使われることもあります。例えば、水質分析を高い精度で行う

必要がある時、希釈液に不純物が混入していると分析の精度が

低下してしまいます。その時に超純水を用いることで、

従来見えていなかったような微量の測定が可能となり、

分析の精度を向上させることに貢献しています。

超純水は動きを止められない?

超純水は作ることも難しいのですが、その取り扱いはもっと難しいのを

ご存知でしょうか。ここでは超純水を取り扱う上で気をつけるべき

ポイントについてご紹介していきます。

超純水は測定が難しい

超純水はごく微量の成分を極限まで除去した水であるため、

そもそも、それ自体を測定することがとても難しいです。

イオン濃度ではpptやppqといったオーダーで測定する技術が必要となり、

一般的な水質分析機関でも測定は困難なケースがあります。

また、測定のために水をサンプリングする時にも神経を使う必要があり、

サンプリングノウハウに長けていないと異物混入が起き、

正確な測定ができません。

超純水はサンプリングノズルからサンプリング瓶に水を汲む間に

大気中から異物が混入する恐れがあり、それを取り込まないように

するためのサンプリング方法自体がノウハウになっています。





超純水は流れを止められない

超純水を作る上で一番気をつけなければならない点は

水の流れを止めないという点です。

超純水は流れを止めてしまうと、その瞬間に水質が悪化していきます。

これは配管や機器からの不純物の溶出や外界からの異物の混入、

さらには微生物の繁殖によって水質汚染が徐々に起こるからです。

このため、超純水製造プロセスでは常時、滞留が起きないように

水を回し続けておく必要があります。

水を使っていなくても循環運転させておく必要があり、

ユースポイントでいつでも使える状態に待機しておくことがポイントです。

超純水はちょっとした振動もNG

超純水設備では配管や弁、機器類などから常に不純物が溶出し続けています。

不純物の中でも代表的なのは微粒子で、ちょっとした振動を加えただけでも

微粒子の値は上昇します。

当然、設備を立ち上げる際に十分な洗浄は行いますが、その後も

延々と不純物のよう溶出や混入が起き続けるのが超純水設備の特徴です。

このため、超純水設備は外界の環境に影響されない安定した屋内環境に

設置することが必要となります。

まとめ

超純水の作り方やその取り扱い方法を中心に初心者でもわかりやすくを

モットーにまとめてみましたが、いかがだったでしょうか。

超純水設備は最低限、UV照射、イオン交換樹脂、UF膜処理プロセスが

必要となり、その水質管理や測定方法にはノウハウが必要です。

また、できた超純水は動きを止めることができず、常時、

フレッシュな状態を維持し続ける必要があります。

水処理では超純水はニッチな領域ですが、非常に奥の深い技術分野です。