水処理設備の材質の重要性




水処理設備は用いる材質の選定がとても重要です。材質の選定に悩んだ経験がある人は多いのではないでしょうか。扱う流体は水が基本ですが、汚泥や凝集剤なども扱わなければなりません。流す流体によっては適した材質があり、どんな材質を使うのかによって、設備としての健全性に大きく影響を与える可能性があります。

そこで、今回は水処理設備の設計を行う上で最も重要なものの1つである材質についてまとめてみました。

水処理で材質を選定することの重要性

水処理エンジニアが配管や機器の設計を進めていく上で

最も悩むものの1つが材質選定だと思います。

どんな材質を選定するかはまさにエンジニアとしてのセンスが

問われるところですが、何か決まったルールがあるわけでもなく、

なんとなく過去に同じようなケースを参考にしながら材質を決定している

ことが多いかと思います。

何と言っても水処理設備は基本的に配管や弁とタンクの塊のような

ものなので、それを構成する1つ1つの機器の材質次第では

ものすごく高くなったり、極端に安くすることもできます。

また、水処理設備の材質選定を誤ると腐食が起きたり、

強度が足りなくなったりして、トラブルを起こすケースすらあります。

さらには材質選定を誤るとその材質から不純物が溶出して、

水質を悪化させることだってあるんです。

このように水処理の世界では材質選定はとても重要なのです。

材質選定は重要なノウハウ

では、材質選定はどのようにして行われるのでしょうか。

一番、シンプルでやりやすいのは材質があらかじめ決められていて

それから変更できない場合です。

これは要求されているスペックとして、例えばタンクはステンレスで、

配管はライニングされた炭素鋼管を用いて・・・といった具合に

仕様書などに明記されているケースです。

これだと頭を悩まさずに材質選定が可能ですよね。

でも、こうしたケースは稀で、多くの場合、材質は水処理設備を

納入する側が適切なものを選定するよう求められます。

この場合、余計なトラブルを起こさないように確実に腐食などが

起きないような材質を選びたくなってしまいますが、コストとの

兼ね合いでそうできないケースもでてきます。

そうなった場合、リスクを取ってでも低級な材質を使うことに

チャレンジしなければならなくなります。

実は材質選定においては何か決まったルールがあるわけでもなく、

設計者の裁量に委ねられている部分がかなりあります。

言ってしまえば、材質選定そのものがノウハウの塊だったりします。

ノウハウといっても全く経験したことのない人はさすがに判断すらできないので、

やはり過去の実績や経験値を参考にして材質を選定します。

物によっては購入する機器のメーカに推奨材質を提示してもらって、

それを参考にすることもあります。

例えば腐食性の高い流体を流す際にポンプの材質選定で

SUS304で良いか迷った時などはメーカに素直に聞くことが

手っ取り早かったりします。





よく用いられる材質

水処理では材質選定そのものがノウハウですが、実際には世界的に様々な

実績が既にある業界なので、だいたい水処理で扱う機器の材質は相場が

決まっています。ここではよく用いられる材質をご紹介します。

水処理では大きく金属材料を用いるか樹脂を用いるかで設備構成が変わります。

以下はこの視点でまとめています。

金属材料まとめ

水処理で配管やタンクなどを金属で構成する場合、まず候補として挙がるのが

炭素鋼材です。炭素鋼材とは鉄と炭素の合金です。いわゆる鋼(はがね)ですが、

水処理の世界では最もよく用いられます。何と言っても安いし加工がしやすいからです。

次によく用いられる金属材料はステンレス鋼材ですね。

ステンレスはさびないという意味で用いられるくらい耐食性に優れています。

ステンレスは鉄にクロムが配合された合金で見た目は銀白色をしています。

よく用いられるステンテス鋼材として有名なのがSUS304やSUS316ですが、

これに微量含まれる炭素の含有量を減らしたSUS304LやSUS316Lという

ものもあります。

耐食性という意味ではSUS316がSUS304に比べて強く、さらにそれぞれの

鋼材で「L」がつくともっと耐食性が上がります。

金属材料ではこの他に耐食性を更に向上させた二相ステンレスというものも

ありますが、非常に高価なので水処理で用いられる際はかなり用途が限定的です。

樹脂材料まとめ

水処理では樹脂材料もとてもよく用いられます。

そう!平たく言えばプラスチックですね。

水処理でよく用いられる樹脂材料の代表格が塩ビです。

塩ビは塩化ビニルの略ですが、配管や弁類にとてもよく用いられています。

塩ビは金属材料に比べるとはるかに安いのと、現場でも加工が簡単です。

樹脂材料で次によく用いられるのはPEやFRPのような樹脂です。

PEはポリエチレンの略で強度があるためタンクなどで用いられることが多いです。

FRPは繊維強化プラスチックの略で、これも強度があるためタンクや配管でも

用いられます。

この他、腐食性が高い流体や溶出が気になる流体を流す系統では

フッ素系の樹脂が用いられることもありますが、フッ素系樹脂は高価なので、

使う場所は限定的です。

まとめ

水処理設備で用いる材質やその重要性についてまとめてみましたが、

いかがだったでしょうか。水処理エンジニアリングで材質選定は

とても重要で、一言では語りつくせないものがあります。

今回は概要的な話を中心にご紹介しましたが、もっと細かく見ていくと

1つ1つの機器や部品ごとにどんな材質が適切なのか、その都度エンジニアは

頭を悩ませながら設計をしています。

材質選定次第で設備の寿命も大きく変わることから、水処理設計では

最も神経を使う部分の1つとなっています。