水処理エンジニアが最も大切にしていることとは




水処理エンジニアが最も大切にしていることは何かをご存知ですか。

この問いに対しては、もちろん答え1つではなく、究極的には人それぞれ様々だと思います。

でも、水処理をつきつめていくと根っこの部分は同じことが言えるのではないかと感じています。

普段、水処理エンジニアはどんな点に気をつけて水処理のエンジニアリングを行なっているのでしょうか。

今回は水処理に携わるエンジニアが心得ておくべき、泥臭い精神論の話をしてみます。

どんなに理詰めで考えても答えは出ないことがある

水処理の仕事をしていくと、大なり・小なりトラブルにぶつかることは

誰しもが経験することだと思います。

水処理はプラント設備ですが、扱う対象は「水」なので、

その時々で条件が都度変わっていくことが前提となっていることから

いつも決まったやり方でうまくいかない時が結構あるんですよね。

どんなに設計上、あらゆるケースを想定して完成度を高めたとしても、

想定外の水はやってきますし、それが来た時に吸収できるだけの

キャパがないと不具合が発生してしまいます。

※ 誤解のないようにあえて書いてしまいますが・・・

ここで言うキャパとは一義的には水処理設備としてのキャパですが、

もっと広い意味ではそれを設計した人が不具合を受け入れるだけの

心のキャパも指すことを暗に意味しています(^_^;)

つまり、設計上や施工上など、完璧にやったと思っていても、

理論上や想定上から外れたトラブルは必ず起こるため、

それに柔軟に対処できるようにしておく心構えが必要になります。

もちろん理詰めでしっかりと根拠を持って設計や施工を行うことは

とっても重要ですが、水処理の場合、その通りならないことが多くあるため、

それに対する準備はより一層重要になってきます。

悩むよりもやってみたほうが早いし確実!?

水処理エンジニアリングは入念な計画と技術的根拠に基づいて

しっかりと進められるべきだと考えています。

そのために事前の検証は欠かせませんし、必要応じて、

実験室レベルで試験を行わなければいけないシーンもでてきます。

水処理設備はそれなりの規模でお金をかけて作っていくため、

失敗した時の手戻りや改造費用を踏まえると、慎重になるのは当然です。

でも、どんなに考えてもやっぱり答えが出ない時ってあるんですよね。

事前の検証を実験室で行うといっても、できることと言えばそれを模擬した

ミニチュアの試験系での検証となりますし、それが実際のプラントレベルに

スケールアップした場合、同じような結果になるかどうかはわかりません。

つまり、何が言いたいかと言うと、

最終的には実機で水を流してみるまで、結果はわからないということなんです。

ものすごい場当たり的なように聞こえるかもしれませんが、

水処理のエンジニアリングを行なっていく中でこうしたケースに遭遇することが

実務レベルでかなり多く存在します。

例えば、ある凝集沈殿プロセスで凝集槽を設計する例を見てみると、

設置スペースの制約から凝集槽はできる限り小さくしなければならなかったとします。

凝集槽を小さくするには高さ方向で容量をかせぐことを考えますが、

それも限界があります。その場合、凝集時間を削って、水槽の容量を

小さくすることを考えると思います。

一般的に、凝集槽の滞留時間は10分程度が目安とされていますが、

これを例えば半分の5分にした場合、どのような影響が出るのか

判断しなければならないシーンが出てきたりします。

当然ですが、処理不良を起こさないようにすることが第一条件なため、

その時の凝集剤の注入量は?、凝集槽の撹拌条件は?水槽の構造は?・・・

といった具合に、いろいろと考えなければならないことが出て来ます。

これらを全て根拠を持って(自信を持って)大丈夫と言うのは至難の業です。

いつまでも悩んでいると納期が間に合わなくなってしまうため、

水処理ではある程度の思いっきりも必要になることもあるんです。

「えいや!」っと大ナタを振るう思いっきりですね(^^;

水処理では悩むよりもやって見たほうが早いし確実なケースもあります。





失敗は発明の母!?

水処理は経験値が何よりも重要だと思います。

というのも、経験には成功も失敗もひっくるめて、

やってみて初めて気づいた知見に裏打ちされた実績が含まれるからです。

どんなに悩んでも答えが出ない時があり、その場合やってみたほうが

早いし確実だと書いてきました。

多くの場合、自信がなかったり、不安がある中で、

思い切ってやってみると失敗する可能性が高いです。

失敗の程度にもよりますが、それはある程度受け入れて

いかなければならないこともあるのが現実です。

というのも、失敗して気づいた点を次回に活かしていくことを

繰り返していかなければ技術のレベルは上がっていきませんし、

失敗からものすごい良い改善策が見つかることもあるからです。

無鉄砲に失敗する道を選ぶのは得策ではありませんが、

技術的にわかり得る範囲でしっかりと検証を行い、

根拠を持ってできる範囲に限界が見えてきたら、

あとは失敗覚悟で挑むことも重要です。

そのための準備をしておくことは大切ですが、それで経験値が得られ

次の水処理エンジニアリングに活かせれば大きな収穫だと

割り切ることがポイントです。

まとめ

水処理エンジニアが大切にしていることについてご紹介しました。

だいぶ精神論的な感じになってしまいましたが、それくらい

水処理の世界は日々、判断に迷うことだらけだったりします。

しっかりとした根拠を持っても限界だと感じた時は、

「えいや」っと思い切った判断をすることが大切なことがあります。

水処理エンジニアの考え方の1つとしてぜひ参考にしていただけたら幸いです。