水質浄化の限界への挑戦!超純水って何?




水処理の使命は水中の不純物を取り除くことです。水中の不純物を極限まで取り除いた水は超純水と呼ばれています。

では、超純水はどんな性状の水を言うのかご存知ですか?そもそも超純水レベルの水にはどんな不純物がどのくらい含まれていて、それらはどうやって浄化していくのでしょうか。

そんな超純水の疑問にお答えするために、超純水についてわかりやすくまとめてみました。

水質はどこまでキレイにできるのか

水処理は用水・給水処理と排水処理に大きく分けられますが、

いずれも共通しているのは水中の不純物を取り除くことです。

この水質浄化を極めていくと、最終的には除去できる不純物自体が

なくなっていくわけですが、どこまでキレイにできるのかご存知でしょうか。

先に答えを言ってしまうと、水処理の世界でキレイに限界はありません( ̄▽ ̄;)

びっくりする人もいるかもしれませんが、水処理の世界で水を極限まで

キレイにするということは、それくらい難しいことだと言うことです。

なぜ、キレイさに限界がないのかと言うと、水処理では究極的には

原子レベルまで純度を高めなければ完全浄化は実現しないと考えるからです。

例えば、水道水から塩分を除去したとして、それが完全に除去されたかどうかは

水質分析の精度によるため、必ずしも「除去した」とは言い切れないのです。

水質分析でたまたま見えている範囲では不純物は存在しないかもしれませんが、

見える範囲をさらに低い領域にすると、実はまだまだ不純物が

残っていたなんてことはよくある話です。

つまり、水をキレイにすることと水質分析とは表裏一体となっていて、

分析精度が高くなればなるほど、極限に近づいていけます。

究極的には原子レベルで水中から不純物を取り除いたことを確認できない限りは

完全浄化したことにはならず、分析技術の限界が水質浄化の限界になってしいる

というのが実態なのです。

純水と超純水の違いって何?

では、純水を浄化していった時に、どこまでキレイにすることができるのでしょうか。

そもそも「純水」って明確に学術的な定義があるわけではなく、

使われる業界や人によって定義はまちまちだったりします。

ここでは水処理の世界で使われる純水と超純水の違いについてご紹介します。

いわゆる「純水」は「一次純水」と呼ばれています

一般的には水処理の世界で「純水」と言えば、「一次純水」のことを指します。

「一次」と名前がつくことから推測できるように、あくまで一次的な処理が

施された純水という位置付けで、さらにこれを高度に処理することで

「二次純水」というものが作られます。

一次純水は明確な定義はありませんが、だいたい、イオン交換樹脂や逆浸透膜の

処理水レベルで、導電率で言うと10μS/cm以下くらいが目安になります。

人によってはこれよりももっと純度が高いものを一次純水と呼ぶ人もいますが、

これは本当に人によって定義がまちまちなのです。

純水にはこの他に、水中に含まれているイオンの組成を気にする場合もあり、

例えば、塩分基準で見ると、ナトリウムイオンや塩化物イオンなどの濃度を

測定して、それがいくつ以下だと純水だと言う人もいます。

さらに水中に溶存している塩分だけでなく、シリカや炭酸などの溶存気体も

気にしなければならないケースもあります。

超純水は導電率だけではわからない?!

純水のさらに上をいく純度を持つ超純水ですが、水処理の世界では

どのように定義されているのでしょうか。

先に結論から言ってしまうと、実は超純水も明確な定義はありません∑(゚Д゚)

というのも、導電率や比抵抗で測定できる領域の不純物はすでに取り除かれている

ことが前提の水で、それをさらに上回る純度の領域となるため、何か定量的な指標で

定義するのが難しいのがこの水の特徴だからです。

そうは言っても、超純水を測る指標がないと困りますよね。

一般的には、理論純水(水中の塩分が理論上除去された完全なH2Oだけの水)

の導電率は0.055μS/cmで、その逆数の比抵抗は18.25MΩ・cmと言われています。

導電率基準では理論純水レベルが超純水ということになります。

一昔前は15MΩ・cm以上が超純水と言われていた時期もありましたが、

今ではこれでは一次純水レベルだと言う人もいるくらいです。

それくらい純水の純度を高める技術は進歩しており、なおかつ一般的に

普及していると言うことなのかもしれません。

この他に超純水は溶存しているイオンだけでなく、微粒子や微生物の

存在も気にしたりします。これは使用先での要求水質によるところが

大きいのですが、単一の指標だけでは純度を語ることはできないということです。





超純水はどうやって作るの?

では、超純水はどうやって作るのかご存知ですか?

超純水は一次純水をさらに浄化していくのが基本ですが、

一般的にはサブシステムとか二次純水設備と呼ばれる

処理プロセスを経て超純水が作られます。

処理プロセスとしてはまず、一次純水では除去しきれなかった

溶解性有機物を除去するための紫外線照射を行います。

これによって有機物が分解されます。紫外線で分解された服生成物は

価電を持っているため、これを吸着除去するためのイオン交換樹脂が

その後段に設置されます。

さらに最終後段では微粒子などを除去するためのUF膜ろ過が行われ、

使用先であるユースポイントに送られます。

処理プロセス自体は以外とシンプルなのですが、それを構築する設備は

余計な不純物の持ち込みや溶出などがないように厳重な品質管理がなされており、

設備を構築すること自体にものすごいノウハウが必要となります。

まとめ

超純水について、その定義や水質分析技術との関係性についてご紹介してきましたが、

明確な定義がないと言う点で、つかみどころがないものだということもご理解いただけた

のではないでしょうか。

超純水の作り方は技術的にある程度確立されているとはいえ、

極限まで純度を高める取り組みは水質分析の技術革新とともに

今後もさらに進化していくものと思われます。