これで水不足も解消?!水回収・再生利用の最新情報




地球上の水資源は限られており、水処理でも水回収・再生利用する取り組みが積極的に行われるようになっています。

水回収・再生利用はどんなところで、どんなふうに行われているのかご存知ですか?

また、水回収・再生利用には欠かせない処理技術があり、それらがどのように活用されているのかご存知ですか?

さらに水回収・再生利用の最前線はどんな動向になっているのでしょうか。

そんな疑問にお答えすべく、今回は水回収・再生利用の技術や動向について気になるポイントをチェックしてみました。

どんなところで水回収・再生利用が行われているの?

水回収・再生利用はどんなところでどんなふうに行われているかご存知でしょうか?

世界的に有名な例でいうと、下水処理水を有効活用する事例がよく知られています。

下水の処理水を他の水源と混ぜて再び上水として再利用するケースですね。

下水を飲み水に?と聞いて驚く方もいらっしゃるかと思いますが、

私たちの生活環境ではこうした水循環はよく行われているんですね。

例えば河川から水を取水する浄水場ではその上流に下水処理場がある

ケースもあります。下水処理水の排出先は河川です。

いったん、河川水で希釈されるには違いありませんが、

広い目で見れば下水処理水を取水している可能性だってあるわけです。

また、農業用水が不足している地域では灌漑用とに下水処理水を

回収再利用する取り組みが進められています。

この他には工場から出てくる排水を工場内で回収・再生利用する

動きも見られます。工場排水は工場内で浄化されて、再び工業用水や

純水として使用されるケースもあります。

この時に工場内でどれくらい水の回収率を高めるかがポイントになっていて、

水回収率が高ければ高いほど、そのために必要となる処理技術も高度になり

コストも高くなることが知られています。

水回収・再生利用に欠かせない技術とは

水回収・再生利用に水処理技術は欠かせません。

水回収・再生利用で用いられる処理技術はどんなものがあるのでしょうか。

処理対象によって用いられる技術は異なりますが、

代表的な処理技術としてはろ過、脱塩、殺菌などの高度処理が必要となります。

回収水の懸濁物質を除去するにはろ過

回収水の対象が何かにはよりますが、下水処理水などを再生利用しようとした場合、

水中には若干の懸濁物質が残っているケースがあります。

これをろ過して浄化することがよく行われています。

ろ過方法は様々ですが、一般的な砂ろ過や膜ろ過が用いられます。

膜はMF膜やUF膜が一般的で、特に下水処理水の場合、

微生物除去を目的にUF膜が用いられるケースがあります。

水回収の対象は多くは生物処理などの排水処理を行われたものですが、

これら処理水中には若干の有機物が残っているケースもあります。

この場合、活性炭ろ過などで残留有機物を吸着除去することも行われます。

上記のろ過処理は工場から出てくる排水でも同様に行われることがあります。





回収水の純度を高めたいときは脱塩処理

工場排水などで行われますが、回収水の純度を高めたいときは

ろ過の後によく脱塩処理が行われます。

脱塩は逆浸透膜による処理が一般的ですが、純度をさらに高めたいときは

イオン交換樹脂が用いられるケースもあります。

純度を高めたいけど、ちょっとした冷却水などで純水レベルまで

純度が必要がないときは硬度成分を除去するための軟化処理が行われる

こともあります。軟化はNF膜やイオン交換樹脂が用いられます。

殺菌のような高度処理も重要な水回収・再生技術

回収した水を上水や灌漑用水の水源として使う場合、

殺菌処理は欠かせません。

殺菌は次亜塩素酸ソーダのような殺菌剤が用いられるケースと、

紫外線やオゾンといった高度処理が行われるケースがあります。

さらには色度のような色もオゾンで分解除去することができます。

下水処理水を再利用する場合、殺菌などの高度処理は重要です。

下水の処理水とはいえ、もともと下水だったので、感情的に

汚いイメージがどうしてもつきまといます。

トイレの水を飲めと言われたらかなり抵抗ありますよね( ̄▽ ̄)

そのイメージを払拭するためにも殺菌処理はとても重要なのです。

水回収・再生利用の動向

水回収・再生利用の最前線はどのような動向になっているのでしょうか。

水の再生利用については世界的にガイドラインの整備が進みつつあります。

水再生の先進国のアメリカでは再生水の基準が設けられ、

すでに灌漑用途で再生利用が行われています。

さらに、渇水地域や水質汚染が著しいでは水回収率を極限まで高めた処理方法として、

ZLDと呼ばれる技術が積極的に導入されるようになってきています。

ZLDとは 英語のZero Liquid Dischargeの略語で、液体廃棄物をゼロにする取り組みです。

どういうことかと言うと、排水処理場から出てきた排水は浄化された後は

河川や海域に放流されるのが一般的ですが、これを全て回収して一切、環境中に

排水を出さないという技術です。

日本にいると信じられないかもしれませんが、

世界的に見るとこれを行なっている国があります。

排水処理場からの排水をゼロにすると言うことは、

それ相応のエネルギーが必要となります(当然ですが)。

場所によってはそこまでして水回収をしなければならない事情が

あるということなんですね。

まとめ

水回収・再生利用は現在、世界的な水不足や水質汚染などを背景に

広く行われるようになってきています。

下水処理水や工場排水を再び用水として回収・再利用するには

ろ過、脱塩、殺菌などの高度処理技術が欠かせません。

回収した水は、工業用水、農業用水、上水の水源など様々な用途で

利用されていますが、中には水を一切出さないZLDと呼ばれる

処理も行われている地域もあります。

今後も水回収・再生利用はさらに普及していくものと思われ、

ますます処理技術の重要性は高まってくると思います。