水処理の基本設計で行うこと




水処理設備を構築する上で基本設計が最も大切です。

基本設計に不具合があると後々の詳細設計が台無しになり、取り返すことが難しくなります。

基本設計では具体的にどんなことを行うのかご存知でしょうか?また、基本設計ではどんなポイントを注意していく必要があるのでしょうか?

今回は水処理の基本設計の流れや基本的な注意点、見るべきポイントについて解説しています。

基本設計で行うこととは

水処理で行う基本設計とは具体的にどんな作業があるのかご存知ですか?

水処理の設計はかなり個人技な部分もあるので、人それぞれやり方が

あるとは思いますが、最低限これだけはおさえておかなければならない

ポイントがいくつかあります。

これを理解していくためには、まず水処理設計を行う上で必要となる

インプット条件が何かを把握していく必要があります。

水処理設計のインプット条件は水量と水質です。

水処理屋さんだったらまず真っ先にこれを気にしなければなりません。

水量からはそのプラントの大体の規模感が想像つくのと、

水質はどんな処理プロセスが必要になるのかを判別します。

次に行うことはプロセス設計です。

いわゆる簡単なブロックフローを書いていくイメージですが、

過去の類似ケースがあればそれを参考にします。

ブロックフローを書いていく中で、各処理プロセスで水質項目が

どう変化していくのか1つ1つ検討していくわけですね。

ブロックフローでざっくりとしたシステム構成を描いたら、

次に行うことは系統図と容量計算です。

これらはどちらかを先に作るというものでもなく、一緒に試行錯誤しながら

両方同時進行で作っていくイメージです。

試行錯誤というのは、どんな達人でも1発で系統図が描ける人はいなくて、

容量計算をしながらそれを系統図に反映して、物質収支などを見ながら、

系統図上で修正すべき点がみつかったら、それをまた容量計算に反映していく

という作業を繰り返していきます。

ITが発達したこのご時世ですが、この部分は人間が手を動かしながら、

ものすごく泥臭い作業をしていきます。

というのは、基本設計をしているとちょっとした設計上の配慮をしなければ

いけないシーンが結構な頻度で出てきて、その人の裁量でベストな設計の

解を導き出さなきゃいけないケースが結構あるんですよね。

その判断こそがまさにノウハウそのものだったりするわけですが、

これが意外と頭を悩ますことがあります。

系統図と容量計算ができれば、次に与えられたスペースの中に

収めるためのレイアウト設計を行います。

これらがようやく固まってからはじめて、コスト積算が可能となります。

コスト積算は配管・弁類、タンク、計装品などを1品1品積み上げていく

のが基本なので、ある程度の設計が進まないとできません。

コスト積算を行っていく中でもやはり、コストを見比べながら都度、

これまでの設計の見直しを行いつつ設計を進めていく必要があります。

というのも、設計上ベストだと思っていたものでもコストには

限りがあるので、それを踏まえて、設計を見直す必要も出てくるんですよね。

こんな感じで、とても混沌とした中、経験と勘に頼って基本設計を進めていきます。

系統図と容量計算が最も重要なアウトプット

水処理の基本設計で最も大切なアウトプットは系統図と容量計算です。

水処理の骨格といっても良いくらい重要で、これが間違ってしまうと

手の打ちようがありません( ̄▽ ̄)

なので、水処理屋さんが基本設計を行うときに一番神経をすり減らすのは

この部分になります。あとの細かな設計は取り戻すことができますが、

これだけはミスがあってはならないのです。

何回も容量計算書を見返して、間違った計算をしてないか、それが正しく

系統図に反映されているか、綿密にチェックします。

容量計算はよく、エクセルなどの表計算ソフトを使って計算する人が多いですが、

表計算上の計算式が正しく入力されているかすら細かくチェックします。

容量計算ミスのあるあるパターンとしては、入力は合っているけど、

肝心の計算式を打ち間違えていたなんてことも稀にあります。

ちなみに系統図は別名フローシートとかP&IDと呼ばれ、

容量計算は設計計算とかプロジェクションとか呼ばれることもあります。





納入先に合わせたレイアウトも重要なポイント

基本設計では納入先に合わせたレイアウト設計を適切に行うことも

エンジニアとしての腕の見せ所です。

レイアウト設計はいわゆる配置図を作る作業になるわけですが、

どの機器をどこに配置するかはまさにエンジニアの感性そのものだったりします。

何しろ、白紙の上に機器配置の絵を描いていく芸術作品みたいなものなので(^_^;)

でもこれが意外とコストに効いてきたりします。

最も合理的でコンパクトなレイアウトになるように設計するのが基本ですが、

これが意外と難しいのです。ある人にとっては最短の配管引きまわしだと

思って配置したものが、達人の域に達している人から見たら全然ダメだったりします。

こればかりは経験と勘と美的センスと感性などのあらゆるスキルが問われる部分です。

特に経験の浅い人は先人たちがどのような思想で、どんな点に気をつけてレイアウト

設計をしているのか参考にしながら設計を進めていく必要があります。

まとめ

水処理の基本設計について、どんなことを行なって、何に注意しているのか

まとめてみました。基本設計は系統図、容量計算、レイアウトとコスト試算が

求められますが、これ以外にも付随する細かな設計図書が必要になるケースも

あります。そして、基本設計はここでは書ききれないくらい奥が深く、何よりも

経験が求められる世界です。

基本設計を上達させる近道はやはり自分で手を動かして、どうやったら一番

合理的な設計ができるのか先人たちに学びながら習得していくことだと思います。