嫌気処理について小学生でもわかるようにまとめてみました




生物処理の中でも嫌気処理はエコな処理方法だと言われています。

嫌気処理と好気処理の違いを一言で言うとどのような違いがあるのでしょうか?また、嫌気処理をそのまま好気処理に置き換えることは可能なのでしょうか?嫌気処理って実際にどのような処理方法があるのでしょうか?

そんな疑問にお答えするために、今回は嫌気処理について小学生でもわかるようにをモットーにわかりやすくまとめてみました。

好気と嫌気処理の違い

嫌気処理と好気処理の違いを一言でいうと何だと思いますか?

見るポイントによって色々な違いがありますが、決定的な違いは

やはり酸素を必要とするかどうかです。

好気処理は好気性細菌によって有機物処理が行われ、常時、酸素供給が

必要となります。一方、嫌気処理はメタン生成菌と呼ばれる微生物の

作用によって、酸素が完全に存在しない環境で有機物を処理します。

では、それぞれの反応の違いについて見てみることにしましょう。

好気処理、嫌気処理ともに有機物を分解して浄化する点では共通していますが、

処理の結果出てくる最終的な生成物に違いがあります。

好気処理で分解された有機物は最終的に二酸化炭素と水になるのに対して、

嫌気処理で分解された有機物は最終的にメタンガスと二酸化炭素になります。

嫌気処理はメタンガスが出てくることが最大の特徴で、

このメタンガスはエネルギー源として有効活用することができます。

また、嫌気処理は酸素が不要なので、処理を行うのに酸素を送るための

ブロワーが不要となり、そのための電気代も節約することができます。

このように嫌気処理は好気処理に比べて環境に優しいのが特徴で、

エコな処理方法とよばれている理由の1つとなっています。

嫌気処理が得意とする領域はズバリここ

嫌気処理は好気処理に比べてエコなのはわかったけど、何で全部

嫌気処理で排水処理が行われないの?と素朴に思う方もいるかもしれません。

実は嫌気処理には得意とする領域があって、その領域のみでの処理が

適しているという事情があります。これは裏を返すと、嫌気処理が

不得意とする領域があり、処理が困難な条件が存在するということです。

つまり、全部の排水処理を嫌気処理で行うことができず、好気処理と

嫌気処理は棲み分けがなされているということです。

では、嫌気処理が得意とする領域はどの範囲なのでしょうか?

嫌気処理はズバリBOD濃度で言うと、一万mg/L以上の

非常に濃度の高い領域を得意としています。

逆に、BODが数千mg/L程度以下の低濃度領域では好気処理が用いられます。

また、嫌気処理は処理温度が好気処理よりも高く、

30〜40℃程度の中温発酵領域と50〜55℃程度の高温発酵領域に分けられます。

好気処理が10〜30℃程度の常温領域での処理が適しているのとは対照的ですね。

嫌気処理は温度だけでなく、pHも適した領域というのがあり、

総じて、処理を行うのに、好気処理よりも扱いが敏感であるという点が

大きな特徴になっています。

また、嫌気処理はそのものだけで完全に有機物をきれいに除去しきる

わけではなく、後処理が必要となります。

このため好気処理との組み合わせで用いられることもしばしばあります。

このように嫌気処理はいろいろな制約条件があるものの、

高濃度のBODの処理を得意とし、好気処理に比べて省エネな

処理方法である点が特徴なので、その得意領域でうまく

処理システムを構築していくことがポイントとなります。





いろいろある嫌気処理の処理方式とは

嫌気処理の処理方式はどのようなものがあるのでしょうか?

嫌気処理は別名メタン発酵とも呼ばれ、有機物からメタンを生成させる

プロセスそのものだったりします。

嫌気処理はいろいろな方法がありますが、微生物を水槽の中で固定化させて

効率的に処理する方法が多く知られています。

微生物を固定化するために樹脂や石の破片のような固体物に微生物を

付着させ、それを水槽から流出しないようにして、その水槽内で

排水と微生物の接触させて処理する方法があります。

これは好気処理と同じ原理で固定床や流動床方式がありますが、

微生物を固定化させるという点ではいずれも共有しています。

一方、嫌気処理の微生物は何か固体物に固定しなくても、

自ら凝集して、微生物としての塊を形成する性質があり、

この微生物ペレットを水槽内に保持しながら処理する方法もあります。

微生物ペレットはグラニュールと呼ばれますが、水槽内で保持しながら、

継続的に増殖させていくことが運用上の最も大切なノウハウとなっています。

特にグラニュールを用いる方法では発生したメタンガスと排水、

グラニュール自体の固体物を1つの水槽で分離しながら処理する

必要があるため、それを分離させる構造物が必要となることも特徴です。

まとめ

嫌気処理は好気処理に比べて高濃度の有機物を処理でき、

消費エネルギーが少なく、生成したメタンガスをエネルギー源として

有効活用できる点で大きなメリットがあります。

一方で、運用維持管理のためには水温やpH等でしっかりとした

管理が必要であり、扱いが敏感なのも特徴です。

嫌気処理は好気処理とうまく組み合わせて使うことで、

効率的な排水処理システムを構築することができます。