浄水場でどんな水処理が行われているか知ってる?




私たちが水処理で一番身近に恩恵を受けていることと言えば、やはり水道水ではないでしょうか。日本では水道水はそのまま飲めるくらい水質管理が徹底されていますが、一歩、海外に出れば、水道水は飲めないという国がたくさんあります。

水道水が飲める飲めないの違いってどこからきているの?そもそも水道水ってどうやって処理されて蛇口まで送られてきているの?

そんな素朴な疑問にお答えするために、今回は水道水を作っている浄水場での水処理についてまとめてみました。

浄水場の水ってどこからきているの?

水道水は市水と呼ばれたり、上水と呼ばれたりしますが、基本的に全て浄水場で作られます。

では浄水場の水ってどこからきているのかご存知でしょうか?

浄水場の水のほとんどは河川や湖沼、ダム湖から採水されます。

場所にもよるのですが、日本では浄水場の水源の約7割が河川や湖沼、

ダムから採水されています。

これらの水源は地表面にさらされている水ということで地表水と呼ばれています。

割合的にはダムが全体の47〜48%程度で最も多く、河川が全体の25%程度、

全体の数%が湖沼水となっています。

残りの約3割はどこの水を水源としているかというと、

地下水と伏流水となります。

地下水は平たく言えば井戸水なので、直感的にわかりやすいかと思いますが、

伏流水ってあまり聞きなれない言葉ですよね。

伏流水というのは河川水のような地表水が砂のような地層に滲み出て、

流れてくる水のことを言います。

砂の層で天然のろ過が行われるため、地表水よりも水質が良くて、

安定しているのが特徴とされています。

この他にも、渇水地域では海水を淡水化して水源とする地域もあります。

日本では多くはありませんが、九州や沖縄などでは大規模な海水淡水化

設備があり、海水が水源として用いられています。

浄水場で行われている水処理を徹底解説

浄水場で行われている水処理をご存知ですか?

浄水場では河川等の水源から原水を取水して、沈殿池、ろ過で固形分や

濁質分を除去したのち、消毒処理を行うのが一般的な流れです。

沈殿池で濁質や固形分を除去

浄水処理では河川水などに含まれる濁質分や砂などの固形分を

分離除去するところから処理が始まります。

比較的、濁質等が多い水源では沈殿池による固液分離が行われるのが一般的です。

沈殿池の前段では薬品注入処理が行われ、

濁質等をフロックとして凝集処理します。

それを沈殿池で沈降分離処理を行うことで、固液分離が行われます。

これは水処理で言うところのいわゆる凝集沈殿ですね。





ろ過で微細な濁質等を除去

沈殿池で大まかな濁質を除去した後はろ過で微細な濁質等を分離除去します。

ろ過では濁質だけでなく、目に見えないくらいの細菌類なども除去します。

ろ過はろ材として砂を使う場合と膜を用いる場合の大きく2パターンがあります。

砂を用いる砂ろ過は急速ろ過と緩速ろ過と呼ばれる処理方法があります。

読んで字のごとく、急速は処理速度が速く、緩速は処理速度が遅い処理です。

ろ過速度の違いで見てみると、急速は1日当たり120〜150mという速度で

ろ過砂に水を通すのに対して、緩速は1日当たり4〜5m程度という速度で

ろ過を行います。

急速の方がろ過速度が速い分、大量の水を処理しなければならないため、

一般的には沈殿池との組み合わせで用いられることが多いです。

一方、緩速ろ過は沈殿池とのセットではなく、それ単独で用いられることが多いです。

膜を用いたろ過ではMF膜、UF膜やセラミック膜等が用いられます。

いずれも砂ろ過よりもろ過精度が高く、高純度な水質を得ることができます。

一時期、話題になったクリプトストリジウムのような微生物は

砂ろ過では完全に除去が難しいケースがありますが、

膜ろ過を採用することで除去能力を上げることができます。

尚、水中に溶け込んでいる成分は基本的にろ過をしても除去することはできません。

これらの一部は活性炭吸着処理などで吸着除去されるケースもあります。

最終後段で消毒処理

ろ過処理された水は最終後段で消毒処理が行われます。

最も多く採用されているのは塩素消毒です。

この塩素消毒があるから、私たちが安心して水道水を飲むことができるんですね。

逆によく海外で水道水を飲むことができないのは塩素消毒されているけど、

塩素がきちんと入っていなかったり、塩素は入っているけど、蛇口にいくまでに

なくなってしまっているケースがあるんですね。

水道水で塩素というと、どちらかというとネガティブなイメージを抱く

人もいるかと思いますが、塩素は必要不可欠な処理です。

近年の浄水場の処理技術

近年では浄水場でオゾン処理が使われるケースが増えてきています。

オゾンは水中に溶けている有機物や臭い成分を分解除去することができます。

また、オゾンはこの他に硝酸性窒素等も分解除去することができます。

オゾンはオゾン発生器と呼ばれる装置で作られますが、

非常に強い酸化力があることが特徴です。

オゾン処理で分解された有機物や残留オゾンは後段に活性炭を設置して、

吸着除去します。

このため、オゾンが直接私たちが使う水道水に入ってくることはありません。

まとめ

私たちの身近に使っている水道水ですが、その水がどこからきて、

どのように処理されているのかご興味を持って頂けましたでしょうか。

水道水は地表水、地下水、伏流水を水源とし、浄水場で処理されます。

浄水場では沈殿池、ろ過、消毒処理が行われ、私たちが使っている蛇口まで

水が送られてきます。

自分が普段使っている水道水が、実際にどこの川やダム等から来ているのか、

調べてみてはいかがでしょうか。